イベントレポート

★ボードゲームシンポジウム2006 TOKYO レポート
    〜新たな一歩を踏み出すために〜
日時:2006年3月25日(土) 13:30 〜 17:00
場所:浅草セントラルホテル(東京・浅草)
ライター:松本
イベント風景その1
イベント風景その2

 過去に大阪で2回開かれた「ボードゲームシンポジウム」が、東京で初めて開催されました。今回お招きした三人のスピーカーは、それぞれボードゲームの販売に関わっている方々。「新たな一歩を踏み出すために」とタイトルにあるように、日本におけるボードゲームの普及・販売の現状や課題、今後の取り組みが話し合われました。

 スピーカーは、ボードゲームの専門誌を刊行するなど先駆的な試みをされているオフィス新大陸の坂本犬之介氏、長らくボードゲームを販売されてきたメビウスゲームズの能勢良太氏、ゲームストア・バネストの中野将之氏のお三方でした。

 坂本氏の講演テーマは「ボードゲームの文化を根付かせるために、我々ができること」。まずボードゲームの素晴らしさを称えてから、日本でボードゲームが普及しない理由を分析され、それに対してオフィス新大陸が現在どのような試みをしているかを述べられました。特に、ファミリーでもコア・ゲーマーでもない「ごく普通の一般大人層」に対する斬新なアプローチが印象的でした。

 次にメビウスゲームズの能勢氏が、テーマの「ゲームルールの日本語化」に関して過去にさかのぼってこれまでの経過を語られ、ルールブックの記述をより分かりやすくするために現在どのようなことに心を砕いておられるかを説明されました。

 最後にゲームストア・バネストの中野氏が「ウチの店のこれまでとこれから」と題して、お店を始めるに至るまでの過去のエピソードをユーモアたっぷりに紹介しつつ、今後の経営戦略や展望まで語ってくださいました。日本語版を手がけた『ルッカ・チッタ』にまつわるお話も楽しいものでした。

 お三方の講演のあと、第二部ではディスカッションが行われ、「ゲームの邦題の統一」の問題や今後の国産ゲームに期待することなどを約一時間話し合いました。「邦題はぜひ統一すべき」「ぜひとも日本語を生かした言葉遊びのゲームが欲しい」(能勢氏)、「日本の小売店や売り場棚に見合ったサイズのゲームを」(坂本氏)、「完全日本語版ゲームの増加を望む」(中野氏)といったご意見などが出て、話は盛り上がっていきました。最後は時間オーバー気味になってしまい、急遽その後の懇親会への参加を決められた方もいたほどでした。

 今回の参加者には、メーカー、ショップなどさまざまに販売・普及に携わる方が多く見受けられました。この方面における取組みの現状や問題点が活発に話し合われたことのみならず、参加者間の交流が多くみられたことも収穫であったと感じました。スピーカーおよび参加された皆様、ありがとうございました。

 なお今回初の試みとして、2月に発表された2005年日本ボードゲーム大賞の発表と授賞式が行われ、国産ゲーム部門を制した「Q-JET」の版元であるメビウスゲームズの能勢氏が表彰されました。

 また、「ゆうもあ」がファミリー向けに優れたゲームを独自にまとめた「ゆうゲームズ」もこの場で発表され、参加された方々の関心を呼んでいました。

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